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2011年5 月26日 (木)

アルツハイマーの早期診断用バイオマーカー

アルツハイマーの早期診断用バイオマーカー

今朝は、Cellの1月号に発表された論文をTaniguchi君がうまく紹介した.この報告では、アルツハイマーの早期診断用バイオマーカーとして疾患の何らかの抗原に対するIgGを同定し、そのIgGを探す方法を提案している。疾患時に増加するIgG抗体とその抗体に結合するペプトイド(グリシンの窒素原子に様々な置換基を結合したペプチド類似体。ペプチドに比べて高次構造をとりやすく、容易に多彩な構造をもつペプトイドを作ることが可能)を同定し、発見したペプトイドを用いて血液中の抗体量を測定できるという。抗原が分かっていない疾患の早期診断が可能という。アルツハイマー患者22名、健常人22名の血清について調べた結果、明確な差が見られているが、健常人でも2名高い結果を示していたのは、アルツの早期診断が可能であることを意味しているのかもしれないという。この手法がアルツハイマーの悪化を抑制する薬の開発に大きく貢献するかもしれない。このマーカーの上昇と症状進展との相関があるかどうかが今後の課題かもしれない。大量のヒトサンプルを使用して検証していく今後の結果が楽しみである。面白い。

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