2010年6 月 8日 (火)
新しい骨粗鬆症治療薬新しい骨粗鬆症治療薬
このブログを見てくれている製薬会社の仲間から貴重な情報をもらった。4月28日のブログで紹介した閉経後女性の骨粗鬆症の治療薬の話を受けての最新情報である。骨粗鬆症の必須調節因子で、骨を崩壊する細胞の活性と形成を促進させるRANKリガンドの働きを阻害する完全ヒトモノクローナル抗体がFDAで承認されたという。プロリア(Prolia、一般名denosumab)という商品名(アムジェン社)であり、年2回(1回60mg、825ドル)、皮下注射投与することにより、骨ミネラル濃度(BMD)を上昇させるという。骨粗鬆症治療薬として一般に広く利用されているビスフォスフォネート系製剤と比較して、投与回数が著しく少なくなる。60〜91歳の閉経後女性7,808名を対象とした3年間に渡る二重盲検無作為化プラセボ対照試験でその有効性が確認された。アムジェンは第一三共と日本でのプロリア開発および商業化について提携、ライセンス合意を締結しているという。プロリアは、癌患者の骨転移に伴う骨折や脊髄圧迫の抑制にも使用されるという。日本の患者が恩恵を受ける日は近いか。プロリアに続き、RANKLを受容し、抑制するという受容体osteoprotegerinも同様な効果が期待できるらしい。詳しい情報を得るには、この総説論文(Curr Oncol Rep (2010) 12:80–86)を読んでほしい。