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2009年6 月 5日 (金)

本態性高血圧のメカ?

本態性高血圧のメカ?

 循環器の領域としては、かなり重要な知見と思う.今朝紹介したNature Med.の5月号の論文は表紙を飾ったもの。Na+による高浸透圧を感知した皮膚間質組織内のマクロファージは、VEGF-c産生を介して、リンパ管を増生し、この仕組みが、血圧のホメオスタシス機構として重要という。この機構を血圧コントロールのためのNa+の第3のコンパートメントとして位置づけている。私は,加齢とともに皮膚の状態が変化し、この第3コンパートメントが機能しなくなることが、加齢による血圧上昇の主因ではないかと思った.この機構の存在を示唆する知見として、ガンの転移抑制剤としてVEGF受容体拮抗薬が臨床開発されているが,その副作用に高血圧があるという。

 若くて皮膚がピチピチの時は、高血圧になりにくく、皮下脂肪が増えたり、皺が増えたりしているような状況では第3コンパートメントの機能不全がおこり,血圧が上がってしまうのではないだろうか.この第3コンパートメントをターゲットにする薬は難しいと思うが,皮膚を若々しく保つように皮膚をマッサージ(リンパの流れを促す?)したり、適度な運動(軽いサウナ?)をして適度に汗をかくことが、本当に高血圧の予防につながるのではないだろうかと思ってしまう。今後、本論文の内容に関する後続研究の成果に注目すべきである。インパクトがある報告であればある程、慎重に見守ろうhappy01.エリちゃん、紹介してくれて有り難う。

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