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2017年10 月19日 (木)

骨格筋におけるインスリン非依存性グルコース制御

骨格筋におけるインスリン非依存性グルコース制御

Mol.Cell 5月号から。B3のNamiちゃんのプレゼン。骨格筋において、Baf60c-Deptor-AKT経路を介してグルコース取り込み促進し、この作用には、インスリン受容体からのシグナルは必要ないという話。骨格筋における解糖経路で産生されたATPが骨格筋のKATPチャネルを阻害し、電位依存性カルシウムチャネルを活性化し、細胞内において増加したCa2+がCaMKIIを活性化する。CaMKIIはHDAC5をリン酸化しHDAC5を核外移行させ、Baf60cによる転写を活性化する。その活性化により、Deptorの発現が上がる。このDeptorはAKTのアクチベーターであるため、AKTがリン酸化され、GLUT4が膜移行し、グルコースの取り込みを促進する。グリベンクラミドは膵臓のKATPチャネルを抑制することでインスリン分泌を促すことがメカニズムとして知られているが、骨格筋におけるKATPチャネルにも作用し、本論文のメカニズムを介してグルコースの取り込みを促すことも明らかにされた。どちらが優位な作用化であるが、この論文のデータからすると後者がメインであり、トルブタミドは膵臓のKATPチャネルには作用するが、骨格筋におけるKATPチャネルには作用しないとのこと。興味ふかい。レベルの高い、しっかりしたプレゼンでした。

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