2017年4 月28日 (金)
骨からのリポカリン2が食欲抑制ホルモン骨からのリポカリン2が食欲抑制ホルモン
Nature 3月号から。Yurippeのプレゼン。骨は内分泌器官でもあり、これまで、2種類のホルモン(FGF23, osteocalcin)を分泌することが知られていた。本論文では、第3のホルモンとして、lipocalin2があり、これが食欲抑制に関わっていることが明らかにされた。その作用機序としては、膵β細胞に直接作用し、β細胞数の増加やインスリン産生、糖代謝亢進などを及ぼすだけでなく、lipocalin2は血液脳関門を通り、視床下部脳室周辺核のメラノコルチン4受容体に作用し、摂食を抑制することが明らかにされた。lipocalin2は脂肪からも産生されることは知られていたが、今回の検討により、脂肪由来は重要ではなく、骨芽細胞由来が重要であることが明確に証明された。あくまでも想定であるが、閉経後に骨粗鬆症へと向かうと、骨由来のlipocalin2量が減り、その結果、食欲が増し、腰回りに脂肪が貯まってくると、その脂肪由来のlipocalin2が代替的に増えることになり、結果的に、摂食の制御が正常化されるのかもしれない。色々と考えさせられる。面白い。ナイスプレゼン。