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2016年7 月19日 (火)

パーキンソン病とミトコンドリア小胞、ミトコンドリア抗原提示

パーキンソン病とミトコンドリア小胞、ミトコンドリア抗原提示

Cell 7月号から。Taiseiのプレゼン。パーキンソン病に関わる遺伝子変異からミトコンドリア障害が関わることが示唆されていた。たとえば、PINK1やParkinが損傷ミトコンドリアの除去(マイトファジー)において重要な働きを担い、ミトコンドリア機能障害がドーパミン神経の変性を起こすことが示めされていた。一方で、パーキンソン病の進行には免疫機構が関与していることが示唆されていた。この研究では、PINK1やParkinに変異があることにより、炎症時に、マイトファジーは関係なく、ミトコンドリア抗原を含むミトコンドリア小胞が形成され、エンドソームやリソソームへと輸送され、分解され、MHC class Iによるミトコンドリア抗原が提示されることが明らかになった。ミトコンドリアに局在し、ミトコンドリア小胞の形成に関わる分子Rab9やSnx9のうち、Snx9が、通常は、Parkinによりユビキチン化後、分解され、ミトコンドリア小胞形成が抑制されるという。PINK1はParkinの活性化に関わることから、パーキンソン病を予防するにあたりPINK1およびParkinの重要性と新たなメカニズムが明確になった。今年、パーキンソン病モデルマウスにおいてMHCIIを欠損させるとドーパミンニューロンの変性が抑制されるという論文も発表されており、パーキンソン病において免疫系の重要性が示されてきている。

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