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2016年6 月13日 (月)

腸内細菌から産生されるTMAOは血栓症リスクを上昇

腸内細菌から産生されるTMAOは血栓症リスクを上昇

Cell 3月号から。Harukyanのプレゼン。血中のTrimethylamin N-oxide (TMAO)と心血管イベント発症率の間に密接な関係があることが報告されている。TMAOが高い群では、約60%も発症リスクを高めているという。この論文では、その裏付けを取っている。TMAOが直接血小板凝集をin vitroおよびin vivoで起こしているという。コリン食負荷し、塩化鉄誘導性血栓症モデルを用いた実験において、腸内細菌でコリンからTMAを合成し、肝臓において変換されたTMAOが血中にまわると、血栓症が悪化するという。腸内細菌移植実験においてもその重要性が裏付けられている。TMAOのターゲット分子は?TMAOは血小板内に取り込まれて作用するという。この実験において面白いのは、マウスのstrainによって、腸内細菌の生着パターンが異なるというデータである。これまで、strainの違いで病態を発症しやすいのとそうでないのがあったという知見に腸内細菌の違いがその原因であるとすると大変興味深い。

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