2016年2 月 2日 (火)
新たなタンパク質品質管理機構 小胞体分子シャペロンのN末のアルギニン化新たなタンパク質品質管理機構 小胞体分子シャペロンのN末のアルギニン化
Nature Cell Biol.2015年7月号から。ちょっと古いけど重要。D1 Omachi君のプレゼン。小胞体シャペロン Bipとオートファジーの意外な関係性を明らかにされた。N末のシグナル配列を持つタンパク質。N-end rule 分解速度がN末アミノ酸によって規定される。ミスフォールディングタンパク質と結合しているBipのN末がアルギニン化されていると、それは、p62と結合し、オートファジーで分解される。アルギニン化酵素の欠損はタンパク質の品質管理に影響する。このアルギニン化はcalreticulinやPDIでも起こるという。小胞体ストレスがかかっているとBip発現が亢進し、それが小胞体から細胞質中に放出し、アルギニン化Bipが細胞質のミスフォールディングタンパク質と結合する。そして、オートファジー系にて分解されることが考えられる。プロテアソーム阻害時もR-Bipが増えたり、hsp90を阻害時も増えるという。さらに、dsDNAの遺伝子導入によってもR-Bipが誘導されるという。プラスミドを用いて過剰発現の実験を行なうときは、常に、R-Bipによるオーロファジーの関与も考慮しておく必要があるということか。。