2015年1 月14日 (水)
新しい骨粗鬆症治療薬候補!?新しい骨粗鬆症治療薬候補!?
Nature Med.の10月号から。B3のTakada君のプレゼン。骨粗鬆症は骨芽細胞と破骨細胞のバランスが崩れることにより起こるという。骨芽細胞に由来するWNT16という分子が、破骨細胞前駆細胞に作用し、破骨細胞の形成を抑制することが明確になり、Wnt16をin vivoで投与すると炎症性の骨粗鬆症を改善すること、ビスホスホネートとの併用により効果が増強することなどを見いだしている。ポイントは皮質骨において骨吸収抑制作用を有したWnt16が非脊椎骨折の特異的な予防、治療の新たな創薬標的分子になりえることがわかったことであろう。これまで、皮質骨は非脊椎骨折(大腿骨、上腕骨など)罹患率の、海綿骨は脊椎骨折(胸骨、仙骨など)罹患率の決定因子であり、既存薬(ビスホスホネートなど)は脊椎骨折には70%、非脊椎骨折には20%であるということが報告されていたことから、今回の研究成果は新たな骨粗鬆症治療薬開発に道を開いたのかもしれない。Wnt16はがん細胞に対する影響もあるという報告もあり、本当に骨粗鬆症の予防に活用できるターゲットかどうか慎重に検討する必要があるという。