2014年12 月26日 (金)
英国薬理学会英国薬理学会
12月15日からロンドンへ。初めて参加する英国薬理学会。来月から日本薬理学会の国際誌Journal of Pharmacological Sciences(JPS)がエルゼビア出版になり、オープンアクセスの電子ジャーナルになるため、その広報紙を持って宣伝に行くのも一つの目的であった。滞在中、1日だけ晴れて、後は、曇りか、雨。英国薬理学会は、世界各地からの参加者がいるにも関わらず、人数的には西南部会の2-3倍くらいの規模のようにも思えた。初日と3日目のポスターは基礎薬理学、2日目のポスターは臨床薬理学(ほとんど薬物動態研究)であり、日本とは異なり、臨床薬理学と合同の学会であった。確かに、英国薬理学会はBritish Journal of PharmacologyとBritish Journal of Clinical Pharmacologyの雑誌を出している。今回、エルゼビアのブースにJPSのポスターを置いてもらうと共に、ポスター会場で、しっかりしたデータを示しているポスターを訪ね、発表者にJPSへ投稿してくれるように頼んだ。ほとんどの発表者がJPSのことを知らず、私が説明するとIFが2.1〜2.5の間である雑誌であることを知り(European J. Pharmacology並み)、そんな薬理学雑誌が日本から出ていたことに驚き、投稿先の候補として前向きに考えてくれていた。現在、JPSへの海外からの投稿はほとんど中国であり、韓国、トルコ、ブラジルがそれに続く感じであるが、日本の薬理学研究者が国際学会に発表で行った際に、ポスター会場で、今回のような広報をすることで、知名度も上がり、IFも3を超え、世界の薬理学雑誌の5本の指に入るのではと思った。多くのシンポジウムなど聴きながら感じたことは、用いられている実験方法は、昔ながらの生理学的な手法が多く、分子よりも表現型の解析こそが、薬理学として重要であると言うこと。Pharmacology=Chemical control of Physiologyという言葉は改めて考えさせられた。当たり前であるが、Physiologyがあっての薬理学である。Physiologyを考えず、分子だけを調べただけの研究では、薬理学(病気を薬で治療、予防する学問)とは言えないと思えた。初めての参加であったが、日本の薬理学会とは趣が異なり、原点に戻れたような感覚になり参加して良かった。ただ、1度だけで良いかな。
羽田に向かう機上から、阿蘇山と取り囲む外輪山がきれいに見えた。
コンベンションセンターはビッグベンのすぐ近く。
エルゼビアのブースの一番前にJPSの広報パンフレット