2013年11 月 7日 (木)
肥満の新たなターゲットか?肥満の新たなターゲットか?
Cell 8月号から。Takaki君のプレゼン。オートファジーにおいてオートファゴソーム形成を促進する重要な役割を担っていたBeclin1の類似タンパク質Beclin2を見いだし、このBeclin2が脳内において発現が低下してくる(ヘテロマウスを用いて)とカンナビノイド受容体CB1Rのlysosome分解が抑制され、膜上発現が高くなり、摂食量の増加、肥満、糖尿病などの表現型が現れる可能性があることがわかった。Beclin2遺伝子が存在する1q43染色体が肥満や糖尿病に関係するという報告が2006年に発表されていたことから、臨床的にも意味がある可能性がある。エンドソームがlysosomeへのトラフィックに関与していることが知られていたGASP1は、Beclin2のN末端が相互作用することにより、そのトラフィックを促進する活性が高まっていること、N末端の構造が異なるBeclin1はGASP1と相互作用できないことも明らかになっている。さらに、マウスのBeclin2はマウスのGASP1と、ヒトのBeclin2はヒトのGASP1としか相互作用しないという。このような情報はマウスを用いた医薬品のスクリーニングにおいて重要である。この論文では、Beclin 2がオートファジー、endolysosomal trafficking、代謝に関与していることは明確になった。ただ、その相互の関連性がどの程度、密にあるかどうかはまだわからない。