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2013年7 月18日 (木)

ポリグルタミン病の新たなメカ

ポリグルタミン病の新たなメカ

Cellの7月号から。Chosaくんのプレゼン。Sis1pは細胞質の変異タンパク質を核内へ移行し分解させる機能をもつ。Sis1pがPolyQ凝集体にトラップされることで、Sis1pによる他の変異タンパク質の核内分解が阻害される。ゆえに、異常タンパク質の核内分解機構が機能しなくなり、不要タンパク質の細胞質内の蓄積が起こる。本研究では、ポリグルタミンと相互作用する分子を網羅的に解析し、Sis1pを見いだした。Sis1pは分子シャペロンのHsp40ファミリーのひとつという。本研究結果から、正常なタンパク質分解はSis1p非依存的であること、Sis1pは変異タンパク質特異的に結合し核内分解へ移行するのに必須であることを明らかにし、ポリグルタミン病における細胞のダメージのメカニズムの一端を解明したという。核内におけるタンパク質分解系がこんなに重要であったのか。この論文は細胞生物学の領域において大きな発見であるのでは。polyQがどのくらい溜まれば、内因性Sis1p(元々、発現量は少ないため影響を受けやすい可能性あり)の影響が現れてくるのかというような定量的なdiscussionがほしい。成長を感じるプレゼンであった。

 

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