PAGE TOP

2013年2 月 8日 (金)

祝 小腸細胞をES細胞から作成

祝 小腸細胞をES細胞から作成

発生研の粂教授(薬学部所属)のグループによる「ES細胞から小腸の細胞を作ることに成功」という論文がStem Cellsにオンライン公表された。今朝の熊日新聞に以下のように大垣君の写真入りで紹介されている。大垣君は薬学部の創薬・生命薬科学科の3年から4年時に粂教授のラボに所属し、その後、大学院に進学した学生である。第2著者も白木助教(熊薬卒業生)であり、このような再生医学の最先端の領域に熊薬出身者が関わっているとは嬉しい限りである。大垣君、白木先生、頑張れ!

本日の熊日新聞より「熊本大発生医学研究所(熊本市)の博士課程1年、大垣総一郎さん(25)と粂昭苑(くめしょうえん)教授(50)らの研究グループが、マウスとヒトの受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)を使い、それぞれ小腸の細胞を作り出すことに世界で初めて成功した。同大が7日発表した。
 この手法は人工多能性幹細胞(iPS細胞)への応用が可能であり、小腸疾患の原因解明や新薬開発、再生医療につながるという。5日付の米科学誌「ステムセルズ」電子版にも掲載された。
 大垣さんらによると、2種類の薬剤を使い、ES細胞の増殖や分化をコントロールする手法を開発。ES細胞を未熟な小腸上皮細胞に誘導した後、粘液やホルモンなどの分泌、栄養の吸収機能を持つ細胞に分化させた。その結果、ES細胞の約90%が小腸細胞になった。
 同じやり方でiPS細胞から小腸細胞を作ることにも成功した。iPS細胞から大腸の細胞を作った例はあるが、小腸は初めて。
 将来的には、患者の血液などを基にしたiPS細胞から小腸細胞を作り、体内に戻すなどの治療に使うことも考えられるという。
 大垣さんは「低コストの薬剤で効率よく小腸細胞を作ることができた。この細胞が腸と同様に機能するか、研究を進めたい」。粂教授は「小腸が形成される仕組みには不明な点が多く、解明につながる可能性がある」と言っている。(山口尚久)」

ご意見メール
clear_both