2012年6 月 1日 (金)
IL-25 (IL-17E) と喘息IL-25 (IL-17E) と喘息
Nature Med. 5月号からYukiちゃんの紹介。喘息病態を悪化させるステロイド抵抗性のIL-17受容体RB陽性骨髄細胞におけるType2サイトカインの産生をインターロイキンIL-25が増強することが明らかになった。このIL-25はIL-17Eとも言われ、上皮細胞から産生される。従来は、IL-25はT細胞に対する作用はよく研究されていたが、T細胞以外の細胞の関与が示唆されていた。今回の論文では、慢性アレルギー性喘息において、ステロイド抵抗性のIL-17受容体RB陽性骨髄細胞におけるIL-25(IL-17E)が病態を左右する重要な分子であること、そして、喘息患者においてこのターゲット細胞が増えていることも明らかになった。自然免疫と獲得免疫にも影響する重要な分子であると言う。IL-25はアレルゲンを慢性的に曝露した時のみ増えてくるため増悪における関与が大きいという。上皮由来の2型サイトカインは、IL-25の他にもIL-33, TSLPがあり、分子間の機能的相互作用はどうであろうか。IL-17RBの抗体は治療に有効である可能性があるとのこと。IL-25による病態モデルはステロイドが無効であることも面白い。