2012年4 月18日 (水)
生物兵器は無駄だよ!?生物兵器は無駄だよ!?
Nature Med.2月号から。薬科学5年のTaniguchi君による紹介。昨年来、パンデミックな強毒性のインフルエンザウイルスに関する論文が生物兵器の開発に繋がるのではないかと騒がれ、掲載すべきかどうか話題になっていたが、今回の論文は、何となく政治的な匂いもする。この論文のインパクトは、「新型ウイルス含め、どんなウイルスでも初期感染を抑制するペプチドワクチンが可能だから、ウイルスを活用した生物兵器は意味ないですよ」かな。勘ぐり過ぎかもしれないが、研究成果の発表にはそういう側面もなきにしもあらず。また、この論文はマウスではなくヒトを使った感染実験が主体であり、ウイルス間で高度に保存されているペプチドを標的にする攻撃性CD4+T細胞(異なるウイルスに交差反応性を示す)を活用したワクチンの開発にも繋がるという。攻撃性CD4+T細胞の絶対数は極めて少ないところが気になり、どこまで真実かわからないが、色々な観点から、興味深い研究発表である。