2011年6 月 3日 (金)
尿酸と喘息尿酸と喘息
Immunityの4月号から。Nukiの発表。
タイトル「An unexpected role for uric acid as an inducer of T helper 2 cell immunity to inhaled antigens and inflammatory mediator of allergic asthma」からわかるように尿酸のびっくりすべき役割がわかり、尿酸の酸化酵素であるuricaseが喘息モデルに有効であるという。痛風患者が喘息が悪化しやすいかどうかは分からないが、喘息患者の肺洗浄液中の尿酸が高いと喘息症状が重篤であるということ、気道上皮細胞におけるTLR4を介してキサンチンオキシダーゼ活性により尿酸が局所的に産生されること、そして、その尿酸が樹状細胞に作用し、Th2免疫系を活性化し、喘息を悪化させているという。個人的には、約30年前、アレルギーモデルを作製する時、水酸化アルミニウムと抗原と混ぜて投与すると、IgE高産生になることを実体験していた。水酸化アルミニウムを使うと尿酸が増えてくるという。抗原に尿酸を混ぜて、鼻腔内投与すると喘息モデルが簡単にできるとか、面白い。喘息治療において、テオフィリンを使うが、昔からテオフィリンで血液中の尿酸が増えることは知られていた。何か関連は考えられないか.今回の知見は、ヒトのデータのばらつきが大きいからマウスだけの話かもしれないので、この意義をどう捉えればよいかは、今後の展開を待った方が良いだろう。タイトルのAn unexpected role forは、強調し過ぎかもしれないが、受理されるための一つの戦法として使えるのかも。個人的には、いやらしくて使いたくないがーー。Nukiは2限目が再試にも関わらず、よく頑張っていた.日々、モチベーション高く頑張ってほしい。
(再試は無事パスをしたとのこと)