2010年11 月 9日 (火)
すごい話。すごい話。
今朝のセミナーは薬学部 創薬・生命薬科学科3年のIhorinがCell8月号から紹介してくれたインパクトのあるものであった.現在、筋ジストロフィの臨床試験が実施されているというActRIIBの阻害(受容体のデコイ)分子が、癌の悪液質(体重減少、筋肉量の減少)、生存期間を劇的に改善するという。このような内容の研究成果がCellに掲載されるのは珍しいので興味津々でしたが、期待以上の知見であった.癌の増殖を止めるものではないが、QOL良く生存できることで、癌自体をターゲットにした治療をする機会を与えることができる。思わず、父親のすい臓ガンでの急激な体重減少と筋量減少、食欲不振を思い出した。QOLが悪すぎた。発症が10年遅かったら、このデコイ薬のお世話になれたのかもしれない。現場でガン患者で接している医療関係者はこの論文、あるいは、このデコイ薬の動向に注目してほしい。最終的に筋量が低下してくる様々な疾患にも応用可能ではないかという視点で検討しても良いのでは.