PAGE TOP

2015年7 月 3日 (金)

肥満の皮膚炎発症のメカ

肥満の皮膚炎発症のメカ

Immunity 5月号から。Harukyanのプレゼン。高脂肪食を9ヶ月間という長期に与え続けたマウスは皮膚炎を起こす。皮膚における病変を調べると、CD11c+マクロファージの皮膚への浸潤、IL-1β、IL-18の産生亢進、T細胞の活性化が起こってくるという。Fatty Acid-Binding Protein (FABP)のファミリーのうち、E-FABP (FABP5)が、皮膚の細胞の細胞質内において、飽和脂肪酸に結合することにより、その可溶化を促し、核内への移行ならびにPPARγなどの核内受容体への飽和脂肪酸の受け渡しを行なっている。 FABP5はCD11c+マクロファージにおける脂肪滴形成を促進するということが知られていたが、このFABP5をノックアウトすると脂肪滴の減少と共に、IL-1β産生に重要なインフラマソーム活性化の抑制がおこることが明らかになった。このことから、肥満時の皮膚炎を抑制するためには、CD11c+マクロファージのE-FABP (FABP5)を抑制することがポイントであることが明らかになった。

ご意見メール
clear_both