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2018年8 月 9日 (木)

アルコール依存の分子メカニズム

アルコール依存の分子メカニズム

Science 6月号から。Johnのプレゼン。アルコール依存症は脳内報酬系(腹側被蓋野を中心に投射される神経ネットワーク)が関与していることが知られている。本論文では、アルコール嗜好性を示すラットを選抜し、扁桃体におけるGAT-3(GABAの輸送に関わる)の発現が減少していたことを見出し、この現象は、アルコール依存症の患者でも認められていた。扁桃体のGABA神経の調節異常がアルコール依存に関わっているらしい。

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2018年8 月 2日 (木)

デザイナー細胞による耐性菌感染治療

デザイナー細胞による耐性菌感染治療

Cell 7月号から。Mariのプレゼン。抗生物質に抵抗性を示す耐性菌の感染症は世界的な問題として注目されている。この論文では、自然免疫に関わる分子を付与させた細胞をマイクロカプセルに封入させ、感染部位における診断および治療が可能ないわゆるimmunomimetic designer 細胞が有用であることを証明したもの。術後のMRSA対策として極めて有用なものかもしれない。

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2018年8 月 1日 (水)

喘息に対する新たなターゲット

喘息に対する新たなターゲット

Science 6月号から。喘息病態の悪化に関わる新たなメカニズムを解明した論文。肺のneuroendocrine細胞(PNECs)がアレルギー性の喘息症状の悪化に関わっていることを示している。PNECsの機能はこれまで解明されていなかったが、PNECsがないマウスを作成したところ、正常時は何も影響がないが、PNECsは、CGRP、GABAの関与により、病態形成に関わっているという。これらの分子をターゲットにした新たな治療薬が開発されうるかどうかについては、他の臓器における副作用が考えられることから慎重にすべきかもしれない。

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2018年7 月24日 (火)

細胞表面抗原のサイズとマクロファージの細胞貪食能の関係

細胞表面抗原のサイズとマクロファージの細胞貪食能の関係

Cell 6月号から。Yuya君のプレゼン。マクロファージは、がん免疫の初期反応として重要である。マクロファージはターゲットとなる細胞表面抗原を認識する。本研究では、細胞表面抗原のサイズに応じてマクロファージの細胞貪食能が異なることを明らかにしている。抗原のサイズが大きくなるにつれて、マクロファージ内のITAMのリン酸化が減少することを明らかにした。さらに、抗原が小さいと、脱リン酸化活性を有するCD45が、抗体ーFcγRの複合体の相互作用部位から物理的に排除され、ITAMのリン酸化が維持されること、抗原が大きいとスペースが生まれ、分子が大きいCD45が抗体ーFcγRの複合体の相互作用部位から物理的に排除されないためにITAMリン酸化が抑制されたままで、細胞貪食が起こらないことを証明している。

 

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2018年7 月18日 (水)

聴覚異常のメカ

聴覚異常のメカ

Cellの7月号から。Junのプレゼン。神経細胞や耳の感覚有毛細胞で選択的スプライシングを受け、活性が抑制されるRESTという転写抑制因子の機能を解明した研究。REST mRNAへのexon4の組み込みには、神経や有毛細胞に選択的に発現しているSRRM4によるスプライシングが必要であることが報告されていたが、進行性難聴に見られるC>G変異(REST4付近のイントロン領域にある)があるとSRRM4依存的スプライシングによるRESTの転写抑制作用がなくなるという。すなわち、exon4欠損マウスやC>G変異を有するヒトは、難聴を起こし、そのマウスに対し、HDAC阻害薬を投与すると、有毛細胞の減少や難聴を抑制するという。

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2018年7 月17日 (火)

治療抵抗性前立腺癌とIL-23

治療抵抗性前立腺癌とIL-23

Nature 6月号から。Kojiharuのプレゼン。前立腺癌に対する治療法としては、アンドロゲンの作用を除去する戦略がとられる。しかし、治療抵抗性を獲得しやすく、その増悪メカニズムについては明らかになっていなかった。本研究では、骨髄由来の免疫抑制細胞からパラクリン分泌されるIL-23が去勢抵抗性前立腺癌を増悪させていることを明らかにしている。抗IL-23抗体投与あるいはアンドロゲン受容体拮抗薬との併用により、有用性が高まることが明らかになっている。今後、臨床的な応用が期待できる。

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2018年7 月11日 (水)

アストロサイトと記憶スイッチ

アストロサイトと記憶スイッチ

Cell 6月号から。Misakiちゃんのプレゼン。海馬が記憶情報の獲得や長期記憶として固定化されるための入り口であることは知られている。今回の論文では、海馬のアストロサイトを活性化するとNMDAを介した記憶の獲得を促進すること、その際、記憶獲得に関連した神経細胞CA1選択的に活性化することを明らかにしている。アストロサイトが記憶スイッチとして機能し、それを自由にONすることができると面白い。神経細胞を直接活性化すると記憶には逆効果という。アストロサイト特異的に活性化することが重要という。

 

アルツハイマー病においては、アストロサイトが異常活性化しており、これは、炎症反応を意味していることは報告されていたが、アストロサイトは一方で、アミロイドβを分解する酵素を産生することも報告されている。

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2018年7 月10日 (火)

6/21のセミナーに対するコメント

6/21のセミナーに対するコメント

OBからのコメントをいただきました。勉強になります。

 

この抗体の効果がどの程度のものなのか、不活化全粒子ワクチン(HAもNAも保有)との比較がない事は少し残念ですが、HA抗原の16種に対してNA抗原は9種ですので、NAをターゲットと出来れば広くウイルスをカバーする可能性もありそうです。

最近は抗体の製造コストが劇的に下がっているようですので、コストの比較も気になりますね。

また、最近ではウイルスの抗原性変異についても予測出来る可能性が示唆され、現在検証が進んでいます(レトロスペクティブには検証されている模様)。NAをターゲットとする事でこの努力が無駄になるのかならないのか。

 

https://www.nature.com/articles/nmicrobiol201658

Universal ワクチンの開発も進んでいますね。臨床開発は難しそうですが・・・・。

https://www.fiercepharma.com/universal-flu-vaccine-biotech-seeks-big-pharma-partnership-for-phase-3-testing-ceohttps://www.nih.gov/news-events/news-releases/niaid-sponsored-trial-universal-influenza-vaccine-begins

 

https://www.nih.gov/news-events/news-releases/niaid-sponsored-trial-universal-influenza-vaccine-begins

 

一方でエンドヌクレアーゼ阻害薬も開発され、治療薬の世界も一変しそうな雰囲気ですが、この新規治療薬の登場で今後ワクチンに期待される事やワクチンの用途についても再評価が進む可能性もありますね。

 

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2018年6 月28日 (木)

球脊髄性筋萎縮症

球脊髄性筋萎縮症

Nature Med. 3月号から。ナミちゃんのプレゼン。球脊髄性筋萎縮症 (SBMA) は成人発症の下位運動ニューロン疾患であり、X連鎖劣性遺伝性疾患であることから男性のみに発症し、筋力低下や筋萎縮、球麻痺を起こす。原因は、アンドロゲン受容体の第1エクソンのCAG繰り返し配列の異常に起因するポリグルタミン病である。本論文の著者らは、以前に、アンドロゲン受容体のAF2ドメインに結合する分子が病態に重要であり、AF2が創薬ターゲットになること、ショウジョウバエのSBMAモデルを用いて、2つの化合物を見出していた。本研究では、それらの化合物について、マウスを用いて体内動態ならびに有効性を明らかにし、アンドロゲン受容体のAF2ドメインがSBMAの創薬ターゲットになりうることを証明したという。

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2018年6 月21日 (木)

インフルエンザ感染による有益な抗ノイラミニダーゼ抗体産生

インフルエンザ感染による有益な抗ノイラミニダーゼ抗体産生

Cell 4月号から。ナリのプレゼン。インフルエンザウイルスの自然感染により、抗ノイラミニダーゼ抗体が産生され、その抗ノイラミニダーゼ抗体のモノクローナル抗体を作成し、治療効果を見ると効果的であることが明らかになった。インフルエンザワクチンはウイルスのHAに対する抗体を誘導するが、HAの抗原性は変化しやすいため、流行に合わせた不活化ウイルスに対するワクチンの選択は難しい。本研究は、インフルエンザウイルスに対する新たな対策を提案するとともに、タミフル抵抗性のインフル対応やパンデミックウイルス対策にも活用できる知見を提供している。

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