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2017年7 月21日 (金)

腸内大腸菌による寿命延長のメカ

腸内大腸菌による寿命延長のメカ

Cell 6月号から。B6のJohnのプレゼン。腸内細菌と寿命延長効果の関連は数多く示唆されてきた。本論文では、線虫のモデルを活用して、餌となる大腸菌の変異体をスクリーニングし、寿命延長効果を示した変異大腸菌を同定した。2つの遺伝子変異が見いだされ、その作用メカを解明したところ、コラン酸という大腸菌由来の多糖類が大腸菌から産生されると、腸の上皮細胞や筋肉のミトコンドリアの形態などに影響し、寿命延長効果が誘導されることが明らかにされた。ヒトへの外挿ができるかどうかわからないが、面白い視点での研究成果である。

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2017年7 月20日 (木)

嗅覚刺激とインシュリン抵抗性

嗅覚刺激とインシュリン抵抗性

Cell Metaの7月号から。B6の高田君のプレゼン。ヒトにおいて嗅覚麻痺とエネルギー代謝の関係は色々と言われてきた。本論文では、マウスの嗅覚を選択的に麻痺させると、交感神経系を介した脂肪細胞のUCP1上昇とインスリン抵抗性を改善したり、肥満病態を改善するという。逆に、嗅覚機能が上昇すると、迷走神経系を介して逆の現象が起こるという。嗅覚過敏か否かと肥満病態との関連を臨床的に証明できたら面白い。

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2017年7 月16日 (日)

九重合宿

九重合宿

7月13日から16日まで九州地区国立大学九重研修所で大学院合宿があった。熊大、長崎大、九州大学の薬学系の大学院修士1年を対象にした研修であり、今年は、第11回目となりました。それぞれの大学院生が大学を越えた交流を持ち、お互い刺激しあい、将来を考える素晴らしい機会となっています。また、博士課程への進学の意義を考える機会ともなっています。天然クーラーの素晴らしい環境でした。毎夜の討論会で、大学間の教員、大学院生が話をし、貴重な情報交換をしつつ、また、研究に対するモチベーションを上げていました。今年は、初めての試みでもあるグループ対抗のバレーボール大会もあって大いに盛り上がった。各参加者が自分の大学に戻って、参加していなかった学生達を刺激してくれると期待しています。お世話を頂いた今年度担当の長崎大学の先生方に心から感謝致します。

 

今年は、研究室からはMisakiちゃんが優秀者になりました。おめでとう。

 

私の恒例となった朝5時からのジョギング。筋湯から長者原までの空間は快適であった。

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2017年7 月 7日 (金)

がん免疫療法の新展開!?

がん免疫療法の新展開!?

Cell 6月号から。M2のMaruちゃんのプレゼン。抗PD-1抗体をより効果的に効かせるために色々な研究が行われている昨今。がん微小環境内のTregから産生されるIFNγを介し、Tregの脆弱性を惹起することが免疫チェックポイント阻害薬の効果発揮に必要であるという。本論文は、Nrp1 (neuropilin-1)に着目している。Nrp1はT細胞に発現している膜貫通型受容体であり、血管系・神経回路に関する研究が行われていた。本研究の結果、マウス腫瘍内のTregの90%以上がNrp1が発現していること、Nrp1+/+Tregがヒトのがん組織内で増加すると予後不良であること、Nrp1-/-Tregでは、IFNγの産生が増加し、細胞性免疫を活性化し、抗腫瘍活性を示すことから、抗PD-1抗体と、たとえば、抗Nrp1抗体を併用するとより効果的にガンを免疫でたたけるかもしれないことが考えられる。

 

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2017年7 月 6日 (木)

メッセージ

メッセージ

ノーベル賞の大隅教授の若手研究者へのメッセージを紹介します。

 

 

私が思うこと、若者へのメッセージ

1 自分の興味、抱いた瞬間を大切にしよう

2 長い人類の歴史の中で考えよう

3 はやりを追うことはやめよう

4 競争だけが科学の本質ではない

5 ”役に立つ”とは何かを考えよう

6 人と違うことを恐れずに、自分の道を見極めよう

7 短期的だけでない、長い研究課題を育てよう

8 自分の小さな発見を大事にしよう。論文やあふれる情報からではなく、自然、現象から出発しよう

9 自分の研究の理解者(ファン)を、できるだけ周りに作ろう

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水を感知する味覚受容体

水を感知する味覚受容体

Nature Neuroscienceの5月号から。ユリッペのプレゼン。飲水は生体の恒常性を維持するために重要である。口渇が起こるメカニズムは、Nature 2015年に、血液中の水分不足(浸透圧上昇)を脳弓下器官の神経系が感知し、口渇感を感じると報告されていた。ただ、水の感知機構は未解明であった。本論文では、舌の味覚受容体のうち、酸味を感知する受容体(PKD2L1陽性味覚受容体)が水を感知していることが明らかになった。そのメカニズムは、唾液中のHCO3-が水によって洗われると代替的に産生(味覚受容体に膜上で結合している炭酸脱水素酵素4(CA4))が活性化し、プロトンが産生亢進、pH低下を酸味受容体が感知しているという。水ではなく、人工唾液を使うとこの系は活性化されないという。PKD2L1陽性細胞にロドプシンを発現し、光刺激で酸味受容体を活性化するモデルを作成しており、大変面白い結果を見いだしている。

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2017年7 月 3日 (月)

妊娠時のストレスと子供の過食症との関連とその治療

妊娠時のストレスと子供の過食症との関連とその治療

Cell Meta. 6月号から。M1のMisakiちゃんのぷれぜん。過食症は異常な摂食障害を言う。難病の精神疾患と言われ、若年期のストレスや出産前後のストレスが原因と考えられていた。本論文には、妊娠中のストレスによる過食傷害モデル(CRF-PNSモデルマウス)を用いて、その発症メカニズムを検討している。離乳後の食事を過食時期とそうではない時期を調節することで、過食モデルを作成でき、その際、DNAメチル化が発症メカニズムに関与していることが明らかにしている。メチルドナー食(葉酸、メチオニン、コリン等)を妊娠中の母親に与えると子供のDNAメチル化やDNAメチルトランスフェラーゼ量に影響することが知られていたため、メチルドナー食の効果を調べたところ、妊娠中のストレスが原因による子供の過食症発症においては、バランスの取れたメチルドナー食が過食症の治療に有用であるということを明らかにした。この論文の研究成果が、ヒトに当てはまるかどうかについては不明である。マウスに通常与えている餌が高メチルドナー食になっているということもあり、ヒトの食事とどのように異なるかは分からない。マウスだけの話かもしれない。しかし、妊娠時の母親へのストレスが良く無いことは事実であろう。母親は大丈夫でも、生まれてくる子供が思春期になったときの食事等の環境因子の影響を受けやすくなっているかもしれない。もし、過食症時の食事内容を考慮するだけで改善するのであれば、それにこしたことはない。

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2017年6 月29日 (木)

脳梗塞後の炎症抑制

脳梗塞後の炎症抑制

Nature Med. 6月号から。Shota君のプレゼン。脳梗塞後に炎症が悪化するメカニズムとして、虚血壊死した脳組織からDAMPsが放出され、マクロファージを活性化するということが示唆されていた。脳梗塞後3日目にはDAMPsが除去され、その除去メカニズムは不明であった。本論文では、脳梗塞後、Mafbという転写因子が発現してくるとMSR1hiマクロファージが増加し、このマクロファージがDAMPs取り込み、炎症性サイトカイン抑制、神経栄養因子の産生を行なうという。白血病治療薬として使用されるAm80(静注)がMafbおよびMsr1の発現を誘導し、脳梗塞の病態を改善している。

 

この論文は慶応大学の吉村ラボの研究成果である。この研究の解説ならびに経緯について紹介されているサイトを見つけた。マウスの入手がポイントであったようである。良い成果が公表されるまでは年月がかかるものである。

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2017年6 月28日 (水)

祝 受賞

祝 受賞

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糖尿病性腎症とPKM2

糖尿病性腎症とPKM2

Nature Med. 6月号から。Imai君のプレゼン。糖尿病の合併症として、腎症は糖尿病患者の約12%で発症する。残りの88%の糖尿病患者はなぜ発症しないのか。その疑問に答えたかもしれない重要な論文。88%の患者には腎症の発症を抑制する内在性の保護因子が存在することを予測。患者の腎糸球体におけるプロテオミクスにより、腎症の発症が見られない患者でピルビン酸キナーゼM2(PKM2)の発現が上昇し、また、重症の腎症患者でPK活性が低下していること、スルフェニル化PKM2(PKM2の4量体化が抑制され、活性が低下)量が増加すること、これは、高血糖による酸化ストレスにより起こることがわかり、ポドサイトにおけるPKM2欠損マウスでは、糖尿病におけるミトコンドリア機能不全、糸球体障害を悪化させるという。PKM2の4量体安定化作用を有するTEPP-46(元々、がん抑制薬としてみつかっていた。Nature Chem. Biol. 2012)の投与により、PKM2の活性化が起こり、糖尿病による糸球体病変を改善したという。糖尿病の合併症全般の予防に関する研究として、極めて重要な論文と思う。

 

 

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