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2025年4 月 7日 (月)

アルポート症候群国際ワークショップ in 熊本 報告

アルポート症候群国際ワークショップ in 熊本 報告

2025年3月21日、熊本にて、遺伝性腎疾患アルポート症候群の国際ワークショップを開催しました。主たる目的であった、国際アルポート患者団体の日本支部のキックオフも実現することになったことが何よりも嬉しいことです。これまで、海外で開催されてきた国際アルポート患者団体主催のワークショップに参加し続けてきた者として、海外から見て、日本の患者さんの顔が見えないこと、交流がないことを寂しく思っていました。国境を越えた患者同士の交流はとても意義があると確信していました。そのきっかけを作れないかと、私の研究者人生における最後の主催研究会(学会)として企画しました。ゼロからの挑戦でもあり、周りからは、本当にできるのかという意見もありましたが、Jeff、Rachel、Moumitaに参加をお願いし、Alport UKの患者代表のSusieもF to Fで参加してくれることになり、神戸大学小児科の野津先生、堀之内先生、山村先生を始め、臨床医の先生方が診療でお忙しい中でも本会のために足を運んで頂き、そして、何より、熊日新聞の事前の情報発信により、日本各地の患者さん達の目に留まり交流が実現しました。現在、患者さん達同士、Susieと日本の患者さん、神戸大学の先生方と患者さんとのメールのやり取りが行われています。とても嬉しいです。ゆえに、当初の「国内外の講演者が世界最先端の情報を提供すると共に、国際アルポート患者団体の関係者により患者の立場からのメッセージを発信します。」ということも1000%の出来で実現し、「本ワークショップは、難病創薬に挑戦する研究者、製薬企業に対してだけでなく、アルポート症候群患者に対する重要な情報共有や意見交換の場となります。さらに、次世代の研究者である大学院生も参加し、ポスタープレゼンを通して、最先端の研究者にアピールする良い機会にもなります。」ということもいくつかの製薬企業の関係者や大学院生達によるポスターディスカッションも有意義に行われました。

 

さらに、背中を押されるように、AMED難病プロジェクト「アルポート症候群腎症進展抑制薬の研究開発」が採択されました。臨床試験開始前までの必要な非臨床試験を実施していきます。この薬剤開発に関わる資金調達を主たる目的にした大学発スタートアップ「GALTS Pharma」も本格稼働します。創薬研究者として、薬理学者としての集大成として、気を引き締めて、これからの人生を送っていきます。患者のために!

 


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