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2023年3 月 9日 (木)

教員7年目から9年目

教員7年目から9年目

私が海外にいて不在だった年。

平成5年4月から平成6年3月。メンバー(旧姓):4年生に、井上、大塚、金丸、九万田、是枝、筒井、野口、M1に、荒木、木戸、福島、和久田、M2に、川野、関口、松尾、D1に、吉武。4年生で卒業したり、他の研究室の大学院に進学したメンバーは重なっていなかったが、その後の同門会にて、交流があり、繋がった。この年は、私が関わっていたテーマは、礒濱先生に引き継がれ、新たな展開をしていた。ハムスターの気道上皮細胞の培養実験の構築が行われていた時期である。そのテーマの中心であった吉武君が博士課程に残ってくれたことは大きかった。感謝である。その後、吉武君と当時のメンバーの金丸さんが結婚をし、その息子が熊薬に入ってきたことも縁が繋がっている。嬉しいですね。(その後も、ラボ内カップルは沢山生まれています。)

 

平成6年4月から平成7年3月。平成6年の5月に帰国した時のメンバー(旧姓):4年生に、甲斐、園田、寺迫、永山、久恒、前田、宮里、M1に、大塚、金丸、九万田、座波、M2に、荒木、木戸、福島、和久田、D2に、吉武。これまでの研究テーマである、気道上皮細胞、肺胞2型上皮細胞、パッチクランプ、鎮咳、繊毛輸送関連のテーマに加えて、分子生物学の技術を本格的に導入し始めた時代。礒濱先生がアドレナリンのβ受容体のノーザンブロット解析をやっていた。帰国後のこの年から、遺伝子クローニング、Cystic fibrosis、分子シャペロンの仕掛けがスタートする。

 

平成7年4月から平成8年3月。メンバー(旧姓):4年生に、栗田、斉藤、副田、千原、原、平川、森永、M1に、甲斐、寺迫、永山、久恒、M2に、大塚、金丸、九万田、座波、D1に、木戸、福島、D3に、吉武。この頃は、実績を上げるために、精神的に追い込むように実験をしていた頃のように思う。うまくデータが出ていなかったりした学生は辛い思いをしたと思う。この頃までの学生に対しては、自分自身に力が無いだけに、研究指導が十分ではなく申し訳なく思っていた。この頃、前述した遺伝子クローニングプロジェクトがスタートした。ハムスター気道上皮細胞のmRNAを用いて、ETSファミリーホモロジークローニングを行ったり、オリジナルのcDNAライブラリーを自ら作り、ファージスクリーニングをRIに籠って、学生と一緒に実験をしていた。今でも印象に残っている場面は、暗闇の実験室の画像解析機(昔の)の画面からTEP1と思われるバンドが浮かび上がって見えた瞬間である。その時に隣に座っていたのが、当時4年生だった千原君(現 広島大学理学部教授)だった。さらに、CFTRのフォールディングに関わるカルネキシンのスプライシングバリアントをクローニングできたのもこの頃である。それぞれのモノクロ抗体を作成し始めたのもこの頃である(その頃、抗体作りで、コラボしていた地元企業の仲間達が、後のトランジェニック社やDAIZ社の創始に貢献した)

 

 

この年が、7時半開始の朝セミナーを本格的に開始した元年ではないかと思う(もしかしたら海外から戻ってきた直後だったかも(笑))。海外から帰国後、私は、朝5時くらいから大学に来て、遺伝学に関する原著の音読などをやっていた。当時、助手だった私は、朝9時過ぎると、業者対応、注文や電話対応、実験、実習などに時間を取られ、自らの成長に繋げる時間を中々確保できなかった。海外では研究が進展している中、焦りを感じ、ラボメンバーが来る前に大学にて自己研鑽の時間を作ろうとしていた。ところが、その様子を知った学生が、自分達も私と一緒に勉強したいという「河の流れ」が朝ゼミのスタートであった。最初は、週3日の朝は、私が、イントロンやエクソンの構造の話など、当時の薬学部の講義では習っていなかった分子遺伝学(UCSFで受けた講演や講義資料などを活用)や最新のNatureやScienceの論文をもとに話をし、残りの日は、学生達に何かと担当してもらうような緩やかな感じでスタートした。当時は、研究室のセミナーなどは別日にあったので、あくまでも一部の有志の学生達だけからということでスタートした。それが、このブログの名称の由来。その後、730ゼミは、学生達が自ら発展させ、学生自身の力となり、自信となり、また、他大学や企業にも知られ、朝早くから研究に取り組むような卒業生を欲しいということで、企業だけでなくアカデミアの就職にも好影響を与えていった。

 

 

(補足:教え子達へ、この一連の歴史については、抜けたり、間違えているところがあったり、追加したい話題があったら、こそっと教えてね。4月1日の私の話では、昔話ではなく、これからの話をしたいので、昔の振り返りはこのブログでやっているので)

 

 

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