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2016年1 月20日 (水)

新生児の聴覚ネットワーク構築機序

新生児の聴覚ネットワーク構築機序

Cell 12月号から。Yoshioくんのプレゼン。先天性難聴は遺伝子異常もあるが、多く場合と原因不明という。新生児の時に、感覚器官が自発的な電気信号を発し、脳と感覚器官のネットワークを形成しているという。この自発的な電気信号の発生、調節メカニズムはわかっていなかった。成長段階において、Inner supporting cell (ISC)から遊離されるATPが内側有毛細胞や内耳への求心性神経 (SGN)の興奮を惹起することは知られていた。また、ISCはTmem16aというCa2+-activated Cl-チャネルを介してCl-を流出させて、興奮し、一緒に流出したK+が近傍のIHCとSGNを興奮させていること、また、ISC由来のATPはISCのP2Y受容体に作用し、細胞内のCa2+増加を促し、IHCとSGNでは、ATPではなく、細胞外のK+依存的に細胞内のCa2+増加を促すという。このように、ISCにおける自発的ATP遊離後におこるTmem16aを介したCl-イオンの流出により、IHCやSGNの活性化が起こり、聴覚器官と脳のネットワークが構築されているという。

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