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2014年7 月 8日 (火)

TRPV1と寿命

TRPV1と寿命

Cell 5月号にTRPV1のノックアウトが寿命を延長するという論文が発表され、今朝のセミナーでMotomu-が紹介した。慢性的な痛みを抱える高齢者ほど、寿命が短いという疫学的な知見のメカニズムを解明したという論文。多くの論文があり、慢性の痛みがあるヒトが10年寿命が短いともいう。膵β細胞を神経支配しているTRPV1ポジティブDRGニューロンにおいて、TRPV1が侵害刺激や炎症刺激で活性化されると細胞内に流入したCaイオンがCalcineurinを活性化し、CTRC1の脱リン酸化が抑制され、リン酸化CRTC1が核移行する。核移行したCRTC1とCREBが相互作用し、CREB下流遺伝子の発現を上昇させるが、その中でCalca(神経内分泌ペプチドCGRPの前駆体)を上げ、CGRPが膵β細胞におけるインスリン分泌を阻害しているという。その結果が耐糖能低下、エネルギー消費低下に繋がるという。

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 慢性的な痛みと代謝性疾患がリンク!?

臨床においては、以下のような論文も出ている。

Severe chronic pain is associated with increased 10 year mortality. A cohort record linkage study

Nicola Torrance  et al. Eur. J. Pain (2010)

 

 

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