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2014年5 月29日 (木)

PTENの2量体化とドミネガ

PTENの2量体化とドミネガ

Cellの4月号から。Omachyのプレゼン。PTENは癌抑制遺伝子であり、変異があることにより、多くのがんの悪性化と密接に関与していることは知られていたが、実は,その詳細なメカはわかっていなかったという。本論文によりわかったことは、PTENが2量体化して初めて活性を示すこと、がん化に関わるほとんどの変異体がワイルドタイプと2量体を形成し、ドミナントネガティブとして作用し、PTENの活性はヘテロであっても完全に抑制されることであり、PTENのtailドメインのリン酸化状態によって2量体化が制御されていることも明らかになっている。がん細胞において、Aktの活性化が一過性ではなく持続的に起こるようになることが、がんの増殖を促進するメカという。がん患者においても本基礎的データを裏付けるデータも得られており、本研究知見はかなりクリアカットで、信頼性が高く、教科書レベルの話である。PTENが関わるがんに対する抗がん薬としては、Pi3K、Akt、mTORの阻害薬が臨床試験中であるという。日本薬理学会の和文誌である日薬理誌に総説があったので参考にしてほしい。

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