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2013年7 月 4日 (木)

乳癌におけるコラーゲン受容体の役割

乳癌におけるコラーゲン受容体の役割

Nature Cell Biol. 6月号からMachyが紹介。乳癌の転移において、コラーゲン受容体DDR2を抑制するとSNAIL1という転写因子が不安定化し、転移抑制に働くことを明らかしている。Type I & III collagenがDDR2に作用し、Type IV collagenがDDR1に作用するという。ついでだが、DDR1はアルポート疾患と関連しているという。今回は、DDR2のノックダウンにより、遺伝子発現に影響することなく、SNAIL1タンパク質が不安定化されること、DDR2にType I collagenが作用すると、Src-ERK2を介して、SNAIL1をリン酸化し、核への移行を促進するため、Collgen IやMT1-MMPの発現を促進する一方、E-cadherinの発現を抑制し、EMT (epithelial Mesenchymal Transition)を誘導するという。これまで悪性ガンの細胞の微小環境においてcollgenの蓄積が見られていたこととガン転移の関連が分子レベルで解明されたという。DDR2の阻害薬開発が有用であることが期待できるが、面白いことに、既に使われているdasatinibなどにDDR2阻害活性が認めれているという。
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