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2013年6 月 6日 (木)

ミスフォールディング病に対する新たな戦略

ミスフォールディング病に対する新たな戦略

Cell Reportsの4月号から。Chosa君の紹介。全タンパク質の3分の1は小胞体(ER)において成熟・分解されるが、そのタンパク質の適切なfolding, trafficking, degradationにより小胞体の恒常性は保たれている(ER proteostasis)。ERには3つのER膜貫通タンパク質 (IRE1, ATF6, PERK)が小胞体ストレスのセンサーとして働き、これらの分子の活性化により、分子シャペロン、タンパク質分解関連分子が誘導される。ゆえに、UPR(unfolding protein response)を活性化させると、ミスフォールディング病に伴う、高凝集性または不安定化したタンパク質を選択的に再構成、または分解、除去することが可能である。しかし、小胞体ストレス誘導剤を処理すると3つの経路とも活性化し、翻訳抑制や細胞死をもたらす。本論文においては、それぞれの単独活性化でも小胞体は守れるのであろうかという疑問に答えるために、ATF6やXBP1選択的に活性化するTET誘導のシステムを構築した。種々検討した結果、ATF6やXBP1選択的な活性化方法は、翻訳抑制や細胞死を誘導すること無く、ミスフォールディング病(CF, FAPなど)に対する治療法になるのかもしれないということを示した。この論文ではATF6特異的な活性化により、Wild type TTRに影響せず、D18G TTRの分解を促進することも示していることから、我々の変異TTR選択的な分泌抑制薬の開発ストラテジーの強いサポートとなっている。

 

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