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2011年11 月 5日 (土)

アメリカCF学会ーアナハイムから

アメリカCF学会ーアナハイムから

この学会に参加するのは何回目だろうか。ずいぶん昔から顔を出してきた。CFは遺伝性疾患であり、当時は、平均寿命も30歳であった。このCFの治療に劇的な成功が訪れた。VX-770というCFTR(CFの原因遺伝子)のチャンネル活性を刺激する薬が、CF患者の5%に見られる変異CFTRに作用し、臨床的に劇的な効果を現したという発表を身近に聴くことができた。本学会の特別講演で大きく取り上げられた。さらには、小胞体に滞留するという変異CFTRを形質膜に発現させる有用な化合物も見つかり、臨床試験が開始されてきている。CFTRに作用するいくつかの薬を併用することにより、近い将来、多くのCF患者に幸がもたらされる可能性が高いなと実感できた。我々として、大変うれしいことに、その特別講演で、ONOちゃんが発表するポスター内容が紹介された。この遺伝性疾患の治療法の開発に我々も少なからず貢献してきている。

 

治療不可能と思われた難病も、遠回りと思われる基礎的な研究を積み上げていくことにより、治療可能になってきた。多くの様々な視点をもつ研究者が集うことが大切である。また、それをバックアップしてくれる財団の存在も極めて重要である。CF財団は大変強力であり、大学だけでなく創薬企業をも資金面からバックアップしてきた。難病対策として、良い成功事例になりそうである。

 

今のところ、こちらは皆、何事も無く順調であるが、熊本は雨であるとか。蕃滋祭がうまく成功することを祈りたい。日曜日は、雨が上がってほしい。

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