2011年1 月27日 (木)
熊薬ものがたり ― 熊本大学薬学部の研究と教育熊薬ものがたり ― 熊本大学薬学部の研究と教育
「熊薬ものがたり」熊本日日新聞社 発行
以下、高濱学部長の「本書の出版にあたって」より一部抜粋。
「「熊薬ものがたり」。本書のタイトルから皆さん方は何を想像されるでしょうか。
熊薬とは、現在の国立大学法人熊本大学薬学部そして、その前身校を意味する言葉です。すなわち、この書物は熊薬の卒業生が企業や大学で行った研究の道のりで遭遇した喜びや苦しみ、そして醍醐味を、また、現在の熊本大学薬学部で行われている研究のあれこれを‘ものがたり’としてわかりやすく紹介したものです。
熊薬は明治18年3月に私立薬学校として熊本の紺屋町今町49番地に呱々の声を上げて以来、官立の薬学専門学校、そして昭和24年に学制改革により国立熊本大学薬学部に、さらに平成16年の国立大学の法人化を経て、今年平成22年に創立125周年を迎えました。この間、国立大学になってからだけでも1万人を超える学部卒業生・大学院修了生を世に送り、我が国の薬学、ひいては人類の健康・医療に大いなる貢献をして参りました。しかし、この貢献が具体的にどのようなものなのか、意外に知られておりません。ーーー中略。
本書を上梓する目的は、単に熊薬卒業生の企業や大学等での研究の成果を広く公表し宣伝することだけが目的ではありません。高校生や薬学を学ぶ学生に、そして社会の方々に、現在、熊薬で行われている研究の一端を紹介し、薬学(熊薬)に対する理解を深めていただくことも目的としています。そして、若い人々には、将来薬学の研究者や優れた薬剤師となる夢や大志を抱いて欲しいという願いもこめています。
ご承知のように、薬学は、物理、化学、生物を基礎科学とする総合科学です。もちろん、医学、情報学、統計学、疫学を始め、人文科学や社会科学なども薬学をより深く理解するために重要です。熊薬の教育・研究は、20の基幹となる研究分野に加えて、3つの寄附講座(研究分野)(企業からの寄附金により作られている講座)と、熊本大学の発生医学研究所や生命資源研究支援センターから8つの研究分野の合計31の研究分野からなる我が国でも最大の薬学の教育・研究組織の一つです。この中には、世界水準の研究を展開している拠点として文部科学省が採択する「グローバルCOE」に所属する研究者も多く含まれています。このような中で、医薬資源の探索、新規化学物質の構造決定、新規合成法、分析法、新しい作用の発見や評価、作用の仕組みの解明、剤形や投与の仕組み、体内での行方、作用の個人差、のことなどなど、また、薬の作用対象となる病気や難病治療薬の開発、さらには、生命現象の一つである臓器の発生や研究技術として不可欠な遺伝子操作の技術や実験動物などなどについて、先端の研究が行われています。第3章は、熊薬で現在行われている研究の一端を、分野ごとに図を交えながらわかりやすく紹介したものです。
熊薬は、上述したように、すばらしい卒業生を数多く輩出し、我が国の薬学、ひいては人類の健康・医療に大いなる貢献をしてきました。そして、現在の熊薬(熊本大学薬学部)は、樟の大樹繁る緑蔭の中で、創薬の伝統を引き継ぎ、次世代の創薬研究者・技術者やすぐれた薬剤師を養成するために、先端の研究・教育活動を行っています。最近は、これに加えて優れた臨床薬学の研究も展開しています。結びに、読者の皆様には、本書を通して、熊薬の研究活動と薬学についてご理解をいただき、意欲あふれる若人には、熱き心をもって、熊薬の扉をたたいていただきたいと願っています。来たれ!熊薬へ!」
以上。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9986471982
紀伊国屋ネットショップ他、書店で注文できます。OBで持っていない人、これから熊本大学薬学部を受験する人は是非読んでほしい内容です.
また、「熊薬ものがたり」の焼酎の限定販売も残り400本を切りました。常楽酒造がネット販売もしていますし、薬学部側の中山酒店でも販売しています.球磨の米焼酎の樽で、フルーティな香りで味は保証します.
このパンフレットは125周年記念会場で配布されたものです。焼酎以外(薬草園の花々の絵はがきはお勧め)は、薬学部生協の売店で販売しています.