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2009年12 月21日 (月)

ひとつの遺伝子変異がタバコ15本で起こっている

ひとつの遺伝子変異がタバコ15本で起こっている

 表題の情報は、最新のNatureの記事から。

小細胞性肺がん細胞および皮膚がん細胞の全遺伝子配列について解析を行ない、肺がん細胞については、23000の変異があることを見いだし,これらの変異は、遺伝子の修復系の異常のための修復不全ではなく、タバコに含まれる発ガン物質による直接的な変異誘発であることを示した。すなわち、これらのガンの発症は予防(タバコを避ける、あるいは紫外線を避ける)できることを示した。全世界で毎年25万人が上記のガンで死亡しているという。タバコ15本毎にひとつの変異が生じているということは衝撃的なこと。生協前の喫煙場では、毎日多くの変異が新たに生じ、将来、活躍が期待できる若者の遺伝子が蝕まれているのは悲しいことだ。また、この論文では,抗ガン薬の有望な創薬ターゲット分子としてCHD7というクロマチンリモデリング遺伝子を提起している。
 同様なガン細胞の全遺伝子配列解析は、昨年のNature発表(白血病)を皮切りに、乳癌(今年の10月)に続き,今回の報告は4番目5番目にあたるという。今後、さらに、NIHの予算で、診断あるいは創薬に繋がる多くの遺伝子情報が公表されていくという。


 明日は忘年会。昼から餅つき。夜は鍋と唐揚げで、お歳暮に頂いた酒を飲み,今年を振り返る。もちろん、ノンスモーキングパーティ。先日,アメリカの学会に一緒に行ったスモーカーのIchiro君が、帰国後は禁煙をすると誓った。約束が守られていることを信じているーー。
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