Nature Med. 10月号。By Oka-chan.
絶食下には、エネルギー源の糖を増やすため、肝臓等に蓄えられているグリコーゲンを分解する。この糖新生には、グルカゴンとアドレナリンが関与し、肝臓内において、cAMP依存性のCREBのリン酸化とCrtc2の脱リン酸化が誘導されることは知られていた.しかし、体内リズムに関わる時計遺伝子が糖新生に影響するメカニズムは不明であったという。今回、時計遺伝子のうち、Cryが糖新生に関わるGPCRのGsαに直接結合し、その活性化を抑制しており、絶食時にCryの発現が低下することにより、GPCRが活性化しやすくなり糖新生が亢進するという。興味深いことに、肥満モデルマウスにCryを強制発現させるとインスリン抵抗性等、改善することから、ひとつの創薬ターゲットになるのではという。不規則な生活、夜寝る前の過食などにより、肥満や内臓脂肪、脂肪肝などが起こりやすくなるというメカニズムを一部説明してくれた知見のように思う.