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2014年7 月31日 (木)

究極の若返りか

究極の若返りか

Nature Med.5月号の表紙を飾った仕事。Science 5月号に2報の論文をまとめてレビュー的に亀ちゃんが紹介。異なるグループからの同様なレベルの高い、しっかりした内容であるため信頼度は極めて高い研究成果である。究極の若返り薬になるのか。若いマウスの血漿を老化マウスに投与すると、CREBを介した作用で、老化に伴う学習能力や記憶力の低下が抑制できるという内容。また、もう一つのグループでは、若い人の血液に多いGDF11を老化マウスに投与すると、GDF11は神経前駆細胞の増加、脳機能の改善、筋幹細胞の増加、筋力低下の抑制。。。。もし、これらの作用が期待できれば、インスリンの自己注射のように、GDF11の日々の投与により、老化が抑制され、老化に伴う慢性疾患がコントロールできる時代が来るかも。色々と夢が膨らむ研究成果である。現在の薬の服用が減り、将来の医療の体制が大きく変貌する可能性がある。この一連の研究成果は、ノーベル賞クラスの研究として評価を受けるのではないだろうか。GDF11の受容体もわかっているため、健康食品のようにそのアゴニストを摂食できれば、老化が抑制でき、高齢化しても若々しく働ける時代が到来し、少子高齢化しても活気ある社会が維持できるのではないだろうか。また、カロリー制限によってGDF11が増えたりしていないだろうか。我々のMET療法により、GDF11が増えたりしていないだろうか。今後の展開が楽しみな研究である。

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