遺伝性疾患であるCF患者が肺移植をし、前向きに進む様子を映画化した、映画「ミラクルツイン」の
主人公である双子姉妹のコメントから
「これまでの経験から、今いる状況でベストをつくすことを学びました。アメリカには、「人生は10パーセントは自分で作るもので、 90パーセントはそれをどう引き受けるかだ」という格言があります。ネガティブでいては、自分と周囲の人々を苦しめることになってしまいます。病気でも人生を楽しむことはできるし、その経験を成長するチャンスとして使えばいいのです。両親からポジティブに生きる術を教わったと思いますし、もしかすると遺伝なのかもしれません。でも、一番のお手本になったのは、同じCFの仲間たちです。つらいとき、一番いいのは、自分のことをわかってくれて、助けてくれる友達を持つことです。そうすることで友情も深まります。」
「自分の周囲がポジティブな人ばかりだったのが大きいです。どんなに体調が悪くても、友人や家族がそばにいて話を聞いてくれるので、彼らの愛情を感じてポジティブになれるのです。それは希望を持つことです。私は今まで、もっと効果のある薬ができるという希望、移植後にはもっといい人生があるという希望を持って生きてきました。さらには愛する者に囲まれて安らかに死ぬという希望も持っているので、それが人生のバネになるのです。ポジティブでいることは、辛いことを見てみぬふりするのとは違います。落ち込んだり、泣いたり、孤独を感じたりするのは、すべて自然な人間の感情です。ネガティブな感情を経験しなければ、ポジティブになることを学べません。」
これらの言葉は、色々なことを考えさせられます。研究者ができること、それは、「もっと効果のある薬ができるという希望」を与え続けること、そして、直接的あるいは間接的にしろ、可能な限り、それを実現させること。そういう意味でも論文発表やマスコミを介した研究成果紹介は必要です。基礎研究を自己満足で終わらせないこと。情報を発信したら、それをきっかけに、自分たちではなくて、誰かが新たな発想をして新規治療法の開発に繋げてくれるかもしれない。そう思いながら基礎研究を継続し続けること、それが大切と思う。