Nature 2011年 3月号に掲載された論文をJyurianが紹介した。今まで、ニコチン受容体のα5サブユニットの遺伝子変異がタバコによる疾患リスク(肺がん、COPD)を高めること、また、ニコチン依存症を起こしやすいことが知られていた。今回の論文では、ニコチン受容体のα5サブユニットのノックアウトマウスが少量のニコチンでは満足できず、とめどもなく高用量のニコチンを求めるようになることを明らかにした。ニコチン受容体のα5サブユニットが手綱核ー脚間核経路に発現していることからノックアウトマウスにおいてこの部位選択的に発現を補うとニコチン中毒が正常に戻るという。この遺伝子に変異(SNPS)があるとnon-smokerでも肺がんリスクが高いという報告もある。ニコチンが肺がん細胞の増殖を促す報告もある。若いうちにニコチン依存になるヒトは、覚せい剤にも手を出しやすいという記事もあった。ニコチン受容体のα5サブユニットの遺伝子変異の有無に関わらず、吸わない方が良い.