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2009年6 月19日 (金)

抗糖尿病薬メトホルミンとアルツ

抗糖尿病薬メトホルミンとアルツ

今まで,チアゾリジン誘導体系の抗糖尿病薬がアルツハイマー病の進行を抑制するのではないかという臨床試験およびアルツハイマーモデルマウスを用いた基礎研究データはいくつか報告されている。

メトホルミンはAMPKの活性化を介して作用することから再注目されてきた廉価な抗糖尿病薬である。今朝、紹介された論文は、メトホルミン単独では、アルツハイマー病悪化の方向に、インスリンと併用するとアルツハイマー病予防の方向に作用するという内容.データをよくみるとin vitro中心であり、また、結果もすっきりしない。PNASで、散見されるパターンか。アルツハイマーモデルマウスを用いたin vivoのデータがないだけに何とも言えない.ただ、discussionの最後に述べてあったが,「今後の検討が必要だが,メトホルミンとチアゾリジン誘導体rosiglitazoneの合剤(Avandamet)は、糖尿病とアルツハイマー病の治療・予防に有効かも」という感じのコメントには少し興味を引かれた。

昨年より,健忘型軽度認知機能障害 (amnestic mild cognitive impairment)を対象にした抗糖尿病薬メトホルミンの臨床試験がコロンビア大学で企画され,リクルート中である。治験希望者に説明をきちんとやらないと、リクルートに影響を与える論文である。
メトホルミン臨床試験計画

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