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2015年12 月 9日 (水)

がん治療薬としてのFAK阻害薬

がん治療薬としてのFAK阻害薬

Cell 9月号から。B3のTaiseiのプレゼン。がんが効率よく免疫排除できればよいのだが、がんには免疫回避機構が存在していることは良く知られている。今回の論文は、FAKが発現しているがん細胞において、核内に移行したFAKがサイトカインCcl5の発現を上げ、ccl5がTregを誘引し、細胞性免疫の攻撃を抑制していることを明確に示している。マウスを用いた実験であるが、正常な免疫機能が維持されている状態で、FAK阻害薬の顕著な有効性も明確に示されている。正常細胞では、FAKは核へ移行していないことから、FAKの核移行はがん組織特異的な現象であるという。これまで、FAK阻害薬の使い方が変わるかもしれない論文かもしれない。

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