2012年7 月17日 (火)
ミトコンドリアの恒常性の維持ミトコンドリアの恒常性の維持
ミトコンドリアストレスは、神経変性疾患、難聴や老化などで起こっているらしい。ミトコンドリア内のタンパク質の恒常性維持のために必要なシグナル伝達系として、ミトコンドリア内のタンパク質のフォールディング異常をHAF-1が感知し、ATFS-1を介して、核内のUPR関連遺伝子を活性化することはわかっていた。今回、Shoさんが紹介したScienceの論文は、ATFS-1には、核移行シグナルだけでなく、ミトコンドリア移行シグナルがあることがわかり、ミトコンドリアストレスが起こると、HAF-1がATFS-1のミトコンドリア移行を抑制し、核移行へ向かわせること、一方、ミトコンドリアストレスが無い状態では、ATFS-1はミトコンドリアに移行し、ミトコンドリア内において、蛋白質分解を受けることがわかった。ATFS-1をノックダウンすると線虫の発生障害を起こし(ミトコンドリアストレスが無い時は、ノックダウンしても影響無い)、ATFS-1はミトコンドリアストレス時に誘導される391遺伝子の制御に関わり、ミトコンドリア機能の維持に重要であるという。