2010年3 月 8日 (月)
祝 論文受理祝 論文受理
論文受理の報告が今朝ありましたよ。ゴーヤンのドクター論文の内容の一部を論文に投稿したものです。雑誌はCancer Sci (IF:3.4)です。本研究室から発表したMol.Cell.Biol.の内容を受け、その応用編ということで,p53の変異の有無に依存しない新たな抗ガン薬3剤併用療法の提案に関する基礎的な研究です.具体的には、5-FU(p53 dependent)とIFN-alpha(p53-independent)により、TLR3の発現を上昇させ,そのligandであるpolyI:Cのガン細胞死効果を高めるという方法であり、正常細胞では3剤併用による細胞死は認められないところが興味深いです.in vivoでの検証を実施するのが難しい研究であり、論文審査の過程で要求はされましたが,アン先生の論述テクニックで無事パスをしました。私どものスタンスは、3剤とも臨床で使用されている薬剤でもあり、これらを単に併用することで,効果増強、あるいは、投与量減少による副作用軽減が期待できますので,本論文の知見を基に,医師主導の臨床研究が将来展開していけばよいと思って、この段階の内容で公表しました。
昨日は、ロ◯ッソ熊本の開幕戦で、J1から降格してきた強豪相手にかなり良い試合をし、勝ち点2といっていいぐらいの1−1の引き分けでした。平均年齢が、かなり下がり、高い運動量、集中力の持続等、大変気持ちがこもったプレーが見られ,昨年よりは期待できるのではないかと思いました。私は,全ホームゲームに行けるかどうかわかりませんが、思わずシーズンシートを買ってしまいました。
一昨日は、九大の先生の定年退任記念シンポがありました。多くの実力者の講演が聴け,色々と考えさせられました.「大学の研究者には、もっと自由な発想が発揮でき、かつ、より基礎的な研究を行なえる環境が必要だ、という意見があるのに対して,税金で実施させてもらっているのだから,ある程度制約を受けるのも当然の考えで,将来的には研究を通して社会貢献をすることを意識した考え方が必要だ、という意見もある」という。税金で賄われている大学研究者は、個々にテーマを自由に設定して自由に研究ができる環境を与えられているのだから、一定の制約(税金に依存する限られた研究費内)の条件下でやれる範囲でやるしか術が無いのは当たり前。もし、自由に使用できる巨額な研究費(環境)が必要であれば,一定の制約を受けた環境で得られた知見をベースに、社会に還元できることを明示するプロジェクト研究を提案するしかない。中世の時代の研究者は、教会からの寄付で研究を行ったため、その制約を受け,そのため地動説は受けいられないなど、どの時代も常に制約を受ける環境がありながらも、その中で、苦労し,工夫しながらどうにかやってきた。今の時代も、制約に合わせつつ、自由を盛り込んでいく努力が必要なのは一緒である.不満があるところには必ずや発展が潜んでいるもの。