2019年10 月16日 (水)
心理的ストレスとがん治療効果心理的ストレスとがん治療効果
Nature Med. 9月号から。Rickyのプレゼン。精神的なストレスががん患者は、治療薬の効果、抗がん免疫を抑制するという分子メカニズムの一端を明らかにしたという報告。ストレスがかかるとグルココルチコイドを増加させ、腫瘍成長を促進するが、そのメカニズムとして、腫瘍内の樹状細胞におけるTsc22d3(グルココルチコイド誘導性転写制御因子であり、かつ、抗炎症や免疫抑制メディエーターとして機能する)を介して、治療時の抗がん免疫応答を抑制するという。これまで、心理的なストレスの度合いで、がん患者の死亡率が変化するという大規模メタ解析の結果もあり、今回の論文は、そのメカニズムの一端を明らかにしたという。がん治療中の患者に、ストレスが少ない環境を与えてあげることは、周りができる唯一の手助けなのかもしれない。