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2016年11 月21日 (月)

新しいエピジェネティック修飾

新しいエピジェネティック修飾

Mol.Cell 4月号より。B3のくわずる君の初ゼミ。新規ヒストン修飾であるリジンβ-ヒドロキシブチリル化が飢餓時に肝臓において起こり、糖代謝経路(PPARシグナル経路、インスリンシグナル経路、概日リズム)の関連遺伝子の発現が増加することを明らかにした論文。いわゆる、肝臓において脂肪酸分解が亢進する場合、アセチルCoAが産生され、いくつかのステップを経て、β-ヒドロキシ酪酸が産生され、β-ヒドロキシブチリルCoAになった後、ヒストンを修飾するという。飢餓状態だけでなく、ストレプトゾトシン誘発性のケトアシドーシス時(1型糖尿病で起こる)にもこのヒストン修飾は増加しているという。インスリンが絶対的に欠乏した場合、糖に頼れず、脂肪酸代謝によるケトン体がグルコースの代替物質として全身に供給され、血液が酸性に傾くというケトアシドーシスは1型糖尿病患者において起こる。実際のヒトのデータがあれば、さらに確からしい研究成果になるであろう。

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