PAGE TOP

2016年7 月27日 (水)

自己免疫症状とALS

自己免疫症状とALS

Science translational medicine 7月号より。Harukyanのプレゼン。ALSの多くは弧発性であるが、遺伝性もある。代表的な原因遺伝子としてSOD1が知られている。この論文では、家族性および弧発性で多い、Chromosome 9 open reading frame 72 (C9orf72)のintron 1の変異について注目している。C9orf72欠損は運動神経変性に関係なく、その機能は不明であった。本研究により、C9orf72欠損マウスは若年での死亡率が高まり、自己免疫疾患と同様な症状を示していることが分かった。この症状は、正常なマウスの骨髄移植により、部分的に軽減することができた。これまで、ALS患者の脊髄においてT細胞の浸潤などが見られたり、ALS患者の血漿や脳脊髄液でIL-17、IL-23が増加していること、さらには、自己免疫疾患患者においてALS発症率が高いことが分かってきていた。この研究成果は、単一遺伝子の異常により自己免疫疾患が起こることは極めて稀であることからユニークな成果といえる。

ご意見メール
clear_both