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2016年6 月29日 (水)

ジカウイルス感染病態のメカ

ジカウイルス感染病態のメカ

Cell 5月号とNature 6月号から。Yurippeのプレゼン。ブラジルで流行しているジカ熱。ジカウイルスが主にネッタイシマカを媒介して感染を拡大している。その結果、感染地区では、小頭症の新生児が急増しているが、その病態発生メカニズムはわかっていなかった。この論文では、ジカウイルスが胎盤を介して胎児へ感染し、胎児の発育不全や死をもたらすことを、IFNα受容体を欠損したマウスやIFNα受容体抗体を投与した正常マウスにおいて明らかにしている。そのメカニズムは、胎盤バイア機能を有するトロホブラストで細胞死を誘導しているという。その際、胎児の中脳、後脳で細胞死が観察されたという。ジカウイルスが脳をどう攻撃するのかについては、Nature 6月号に報告された。それによるとジカウイルスはマウス脳皮質において神経前駆細胞を標的とし、神経発生を抑制するという。これらの動物モデルは、ヒトの病態を反映しており、ワクチン開発や治療薬開発のために有用であろう。Nature に、ジカウイルスに対するDNAワクチンができるという論文が本日発表された。ヒトへの応用も近いかもしれない。

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