2015年4 月28日 (火)
AMPKの活性化と免疫能の維持AMPKの活性化と免疫能の維持
Immunityの1月号から。ツレのプレゼン。AMPKが炎症病態組織におけるT細胞の代謝や応答において重要な役割をしていることをin vivoで証明した。T細胞の活性化と代謝シフト、すなわち、ナイーブT細胞(好気的な解糖系によるATP産生)からエフェクターT細胞(嫌気的解糖経路が主)への分化にはエネルギー供給過程が異なっているという。さらに、ガンや炎症時では、エフェクターT細胞の代謝経路が変化していることは知られていた。本論文におけるin vitro実験において、グルタミンがグルコース欠乏時のエフェクターT細胞の代謝と生存に中心的働きを有することも明確になった。また、AMPKの欠損マウスにおいて、各組織中のエフェクターT細胞数が減少、T細胞におけるAMPKの欠損により細菌クリアランス能が低下、AMPK欠損によりT細胞の生存率低下、好気的代謝低下、細胞内ATP量減少というin vivoの実験で示されている。AMPKはグルタミントランスポーターの活性化にも関わっているらしい。AMPKの活性化は病態時の免疫機能においても重要であるという。