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2014年11 月20日 (木)

抗がん薬の耐性メカとMapk14 & Atf2

抗がん薬の耐性メカとMapk14 & Atf2

Nature Med. 10月号から。モトムーのプレゼン。ソラフェニブは肝細胞がんの第一選択薬として知られ、マルチキナーゼ阻害作用を有する。著者らは、まずトランスポゾンベクターを用いて、恒常的活性化がん遺伝子を導入した肝臓がんモデルマウスを作製し、肝特異的にshRNAを発現させるというシステムを用いて、in vivo RNAi screeningを実施した。ソラフェニブ耐性遺伝子を同定したところ、Mapk14(p38α)を見いだした。このMapk14のノックダウンあるいは阻害薬はvitroとvivoでソラフェニブの抗がん効果を増強したという。ソラフェニブ処理によりMapk14-Mek-Erk活性が上昇し、Erkの下流のAtf2がMapk14の直接の下流分子でもあるという。現在、開発されているMapk14阻害薬は、COPDおよび慢性関節リウマチの治療薬としてPhase2の臨床試験中であり、副作用もないという。今後、ソラフェニブと併用することによるガン治療が期待されるという。本論文において、事前に肝がん組織のMapk14、Atf2の発現を調べ、ソラフェニブ治療の予後を検討したところ、特にAtf2発現と有意な関係があることがわかり、Atf2はソラフェニブの予後診断マーカーとしても有用であるという。

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