2014年6 月26日 (木)
新たな血管新生抑制薬の可能性新たな血管新生抑制薬の可能性
Cell Metaの1月号から。D1のYokota君のゼミ。血管新生が様々な病態の形成に重要であることは知られているが、血管新生因子VEGFの作用を抑制しても効果がいまひとつであることは有名である。この論文で使用した薬は、PFKFB3阻害薬3-POであり、内皮細胞の解糖経路の重要なステップを抑制する。その抑制は一過性であり、かつ、部分的な抑制であるにも関わらず、in vivoの実験系で良く効いている。解糖経路を完全に、あるいは持続的に抑制すると細胞死がもたらされるが、程よく効いてくれると良いという話。ノックアウトマウスなどの知見とは一致しないので説得力が無いようにも思えるが、そうではなく、理想的な創薬を考えると、完全ではなく、ほどよくが良いということだろう。