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2013年9 月25日 (水)

治療抵抗性の前立腺ガンの悪化に対する新たな戦略

治療抵抗性の前立腺ガンの悪化に対する新たな戦略

Cellの9月号から。B4のOkita君の発表。前立腺がんは、男性ホルモン(ジヒドロステロン)により悪化して行くことから、受容体阻害薬あるいは合成阻害薬が抗がん薬として使用されている。しかしながら治療抵抗性前立腺がんが臨床的に認められ、その分子メカニズムとして、そのがん細胞において、ジヒドロステロン合成促進、アンドロゲン受容体の過剰活性化などが知られていた。本論文では、途中の合成酵素である3βHSD (3β-hydroxysteroid dehydrogenase)に変異があることにより、細胞内における分解が抑制され、蓄積していくこと、この変異が治療抵抗性に関与すること、アビラテロンというCYP17A1阻害薬(コレステロールからDHEA(アンドロゲンの前駆体)の合成を阻害する)の投与により3βHSDに後天的な変異が入ることなどが明らかにされた。今後、臨床的に本論文の裏付けが取れることで、次の展開として、3βHSDの変異体に選択的に作用する抗がん薬の開発につながるだろう。

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