2012年7 月25日 (水)
子宮内膜症の創薬ターゲット候補分子!?子宮内膜症の創薬ターゲット候補分子!?
子宮内膜症では、子宮内膜が子宮内腔や子宮体部以外の骨盤内で増殖する。エストロゲンにより、増殖が促される。今回のNature Med. 7月号に掲載された論文は、子宮内膜での炎症によりTNFalphaにより細胞内MMP-9が活性化され、steroid receptor coactivator-1 (SRC-1)が切られ、70kDaの SRC-1 isoformが生成される。このSRC-1 isoformが様々な活性(増殖促進、アポトーシス抑制)を持ち,子宮内膜症を増悪させるという。子宮内膜症の患者でもこのisoformが高頻度に検出されている。創薬を考えるとMMP-9の阻害薬が有用である可能性がある。アンジオテンシン変換酵素阻害薬 (ACE inhibitor)にMMP-9阻害作用があることが言われている。今回の論文を基に、近い将来、ACE阻害薬の子宮内膜症に対する臨床報告が出てくるかもしれない。TNFalphaのモノクローナル抗体でも有用であるという。