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2012年5 月15日 (火)

新たな貧血治療薬!?

新たな貧血治療薬!?

Cellの3月号から。薬学科6年のRUYちゃんの朝ゼミ。erythropoietinは赤血球の産生を促進するホルモンであり、腎臓、肝臓で主に産生され、特に、腎臓の寄与率が大きいため腎不全患者では腎性貧血が起こる。erythropoietinの産生は血液中の酸素分圧によって産生調節されている。低酸素によって活性化されるHIF (hypoxia inducible factor)が骨の形成に重要であることは知られていたが、赤血球を作る骨髄細胞に対する役割はわかっていなかった。今回の論文では、erythropoietinの新しい産生細胞として骨髄を同定し、骨髄細胞でのPHD/VHL/HIFシグナルが造血幹細胞と赤血球前駆細胞を局所の造血組織で増加させる可能性を示した。骨髄におけるerythropoietin産生にはHIF-2が主体とのこと。 PHDやVHLを阻害するとHIFの分解を抑制できる。この論文でも、現在治験中のPHD1,2,3の阻害薬PHIにより溶血性貧血モデルに有効であることを示している。PHIは骨髄におけるerythropoietin産生を促すことができている。副作用はないのか。PHIはドーピング対象薬になりますね。

 

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