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2011年7 月 7日 (木)

Th17の分化にはTGF-β1のオートクリン調節が重要

Th17の分化にはTGF-β1のオートクリン調節が重要

Immunity 2011年3月号。今日も学部3年のKamexの初プレゼン。

 

TGF-β1がTh17への分化を促進することは知られていたが、その由来は生体レベルで明確にされていなかった。Th17がTGF-β1を自身で産生し、自身に作用させるというオートクリン調節が重要であることをin vivo(生体レベル)で証明した。Tregを制御するTGF-β1はパラクリン分泌かオートクリン分泌由来かは不明であるという。多発性硬化症などの自己免疫性疾患においてT細胞(CD4+T細胞)由来のTGF-β1を特異的にターゲットにすることができれば治療が可能であることを実験的に証明している。もし、そのような薬ができたとしても自己免疫性疾患に対する臨床試験はできたとしても正常人対象のPhaseIの臨床試験は難しいのでは.糖尿病を対象にした、TGF-β1抗体の臨床試験が行われているという。

最近の報告では、TGF-β1が同じ受容体を介するにも関わらず、Th17の分化にはSmad非依存性に促進的に働き、TregにはSmad依存性に抑制的に働き、関与する転写因子も明確になってきているという。

 

この論文からどこまでは言えて、どこまでは言えないかをしっかりと理解している、堂々とした良い発表であった。

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