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2010年5 月12日 (水)

トランスファーRNAの新たな機能!?

トランスファーRNAの新たな機能!?

 今朝のセミナーでは、Oka-chanがMol. Cellの3月号から、もし本当であれば,教科書に追加しないといけないレベルの話題を紹介してくれた。トランスファーRNA(tRNA)がcytochrome cに結合し、Caspaseの活性化を阻害することでアポトーシスを抑制するというもの。最後のFigureの前まではアーチファクトではないかと怪しまれても仕方が無いデータだなと思っていたが、最後のFigureのonconase (tRNA特異的分解酵素、rapirnase)と抗ガン薬ドキソルビシンの併用により、ガン細胞のアポトーシスがほぼ100%起こるようになるという相乗的な効果は極めて重要な知見だと思う(正常細胞では?)。この併用の臨床試験はすでに米国でPhase IIIであり、悪性の中皮腫患者を対象にしている(臨床試験情報)。この臨床試験は1999年に開始と書いてあり,今回の論文の最後のFigureの新規性はどこにあるのかということを考えてみても面白い。また、tRNAが本当にアポトーシス抑制に関わっていることをより明確に証明するにはどのような方法を使えば良いのかを考えるのも研究の良いトレーニングになる。

 中皮腫は、胸腔の壁と肺、心臓との境界である縦隔を覆っている胸膜の中皮細胞に由来する悪性腫瘍であり、80%以上がアスベストが原因ということでも有名(疾患情報)。臨床試験の結果が楽しみである。

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