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2016年9 月 2日 (金)

神経変性疾患に対する新たな創薬戦略

神経変性疾患に対する新たな創薬戦略

Nature Med. 8月号から。マリーのプレゼン。神経変性疾患の治療薬開発に向けた大変重要な研究成果。TAR DNA-binding protein 43 (TDP-43)の遺伝子変異はALSを引き起こすことは知られていた。変性したニューロンの細胞質にTDP-43が多くなっていることも知られていた。しかしながら、このTDP-43がALSをどう起こすかは分かっていなかった。この論文でそれを解明したという話。ALSや前頭葉認知障害の患者のニューロンのミトコンドリアにTDP-43が蓄積していたこと、疾患発症に関連した変異があるとTDP-43はミトコンドリアにより蓄積すること、ミトコンドリアにおいて、TDP-43はミトコンドリアのND3, ND6(Respiratory complex I subunits)のmRNAに結合し、その発現を減少させ、Complex Iのdisassemblyを引き起こすこと、TDP-43のミトコンドリアへの局在を抑制するとTDP-43によるミトコンドリア機能不全が抑制され、神経変性の治療法として、TDP-43のミトコンドリアへの局在化抑制薬が有望であることなどが明らかになった。wild-type TDP-43の生理的な役割は不明であるという。

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